2014年度一般入学者選抜2/4(火)理科 入試問題出題意図を開示します

2014年2月4日(火)に実施しました2014年度一般入学者選抜「理科」の入試問題において、各科目の出題意図を以下の通り開示します。
桜美林大学の理科の入試問題では、論理の筋道を含めた学習内容の理解と、それらを記述する力を重視したいと考えて、マークシートではなく記述式の問題を作成しています。ここに掲載する出題意図は、本学の受験生に対してどのようなメッセージをこめて入試問題を作成したのかを理解していただくためのものであり、本学を志望される受験生のみなさまの学習の一助となることを願っています。

2014年2月4日(火)実施「理科」問題 (PDFファイル)

2014年度過去問題

【出題形式についての補足】 理科は「物理Ⅰ・Ⅱ」「化学Ⅰ・Ⅱ」「生物Ⅰ・Ⅱ」「地学Ⅰ」の4領域からそれぞれ3題ずつ、合計12題出題されました。解答の際に12題の中から3題を選択してもらいました。選択の仕方には制限はありませんので、同一領域から3題解答することも、4領域のうち3領域から1題ずつ選択して解答することも可能です。

第1問(物理学)

単なる公式の記憶ではなく、高等学校で学ぶ物理を十分に理解し,確かな知識を身に付けているかどうかを意図した出題です。問題の分量は、試験時間内に解答できるように配慮しています。問題も教科書の基礎的な事項をしっかり理解していれば十分対応できる平易な問題です。

振り子の運動について考えることで、公式の理解、力学的エネルギーの保存の理解及び計算の技能を問う問題です。
問1:公式を問題文中の文字を使って表記できるかを問う問題です。
問2:位置エネルギーと運動エネルギーの関係から速度を導くことを問う問題です。
問3:物体の運動を正しくイメージしているかを図示することで問う問題です。
問4:張力と重力、遠心力の関係から導くことができるか問う問題です。
問5:時間が周期の1/4であることに着目し、公式に適切な文字を使用して表記できるかを問う問題です。
問6:運動が成立するための条件がどのように導き出されているかを説明させます。

第2問(物理学)

私たちの日常生活の中で、電気と磁気についての性質を利用しているものは沢山あります。ところが、私たちは、電場や磁場を直接感じとることはできません。私たちが感知できるのは、運動を見たり、温度が上昇して温かくなったことを感じとったり、といったことです。身の回りの現象の中から、そうした電磁気の働きについて想像をめぐらし、学習したこととの対応を考えると、より理解が深まると考えられます。

問1:電磁石によるベルは、電気と磁気によって運動が発生する一例です。学習した知識を関連づけて理解することができるか、また、文章として表現できるかを確かめる問題です。
問2:磁場の中を回転するコイルは、運動が電磁気学的な現象を引き起こす典型的な例です。物理量の間の関係が十分に理解できていればグラフを作成することができるでしょう。最後の問題3)は、様々な解答例をあげることができる問題です。エネルギーと仕事の関係の観点から、また、フレミングの左手の法則の観点からも考えることができます。様々な視点で考えることは、物理学に対する理解を深めることにつながります。

第3問(物理学)

身近に観察される音に関する問題です。現象の名称,その現象が起こる条件を理解しながら,計算ができるかを問う問題です。

問1:現象の名称と条件について理解しているかを問う問題です。
問2:公式を理解しているかを問う問題です。
問3:条件が異なる場合、公式を理解しているかを問う問題です。
問4:条件が複雑になった場合に公式を適切に使用できるかを問う問題です。
問5:音速と時間と距離の関係を理解しているかを問う問題です。
問6:条件を正確に把握しているかを問う問題です。
問7:現象を適切に予想でき、その現象の原因と名称を適切に説明させる問題です。

第4問(化学)

すべて化学Iの範囲の基本的な問題です。
問1:原子の電子配置から、それらによって構成される化合物の名称や化学式・構造式を解答させ、電子配置とイオン化や化合物生成との関係の理解度を問う問題です。また、3)では、pHの概念と、計算方法の理解度もみています。
問2:同位体という概念と、原子量がなぜ半端な値となっているのかについて、理解度を問う問題です。
問3:化学の重要かつ基本的な法則であるアボガドロの法則を説明させ、暗記に偏らない知識を問う問題です。

第5問(化学)

全体に中和滴定に関する基本的問題です。実験を実際に行っていれば簡単な問題です。
問1:化学実験使われる器具の名前がわかっているかどうかの問題です。
問2:定量に用いられる器具と定量には使用されない器具との区別ができるかどうかの問題です。
問3:pH滴定曲線を理解しているかどうかの問題です。
問4:pHの計算ができるかどうかの問題です。

第6問(化学)

問1、問2は基本的問題であるが、第3問に少し難問を加えました。
問1:熱化学方程式の基本的問題が解けることを確かめる問題です。
問2:酸素を含む有機化合物であるアルコール、フェノール、エーテルの化学的性質を利用して区別ができるかどうかの問題です。
問3:タンパク質の呈色反応についての問題です。

第7問(生物学)

生物の大きなグループを分類する特徴にもなる生活史(生活環)についての問題です。「動物と植物の違いは何か」という子どものころから考えたことのある素朴な問題について、高校の生物で学んだことをもとに考えることができます。
問1と問4は、教科書に書いてあることをじっくり勉強して、正確な知識を覚えた受験生に得点してもらうことを意図した問題です。
問2と問3は、用語を暗記するだけではなく、多様な生物を比べて共通点や相違点を考える姿勢のある受験生に得点してもらうことを意図した問題です。

第8問(生物学)

血糖量の調節に関する問題です。血糖量を調節する自律神経やホルモンの働きについて理解しているか、教科書にある基本的知識を有しているかを問うものです。また、健康な人と糖尿病患者の食後の血糖量変化のグラフを選ぶ問題では、グラフを読み取り選択理由を説明できる力を求めています。

第9問(生物学)

形質の発現と遺伝子についての実験の理解度を問う問題です。この実験は、当時は直接観察できなかった代謝経路をアカパンカビの生育状態を通して調べた巧妙な実験です。このような研究方法について関心をもつ受験生に得点してもらうことを意図した問題です。
とくに問5は応用力を問う問題です。この問題を解くには、表面的な理解だけでなく、この実験の原理をよく理解していることが必要です。

第10問(地学)

地球惑星科学的な視点で自然を捉え考える能力が、防災や減災、環境を考えるためにも求められています。その際に、課題を考えるためにも最低限の基本的な知識が必要となります。そこで本問では、問1にて現代の環境問題を考えるためにも必要な地球史、共進化を考察するために、問2にて火山災害とその防災・減災を考えるためにも必要な火山の性質を考察するために、問3にて気象の視点から地球規模環境を考察するために、それぞれ求められる最低限の知識が身に付いているか測ることを意図して出題を行いました。

第11問(地学)

地球惑星科学的な視点で自然を捉え考える能力が、防災や減災、環境を考えるためにも求められています。その際、基本的な知識の量が重要となる場合もありますが、得られているデータや情報、法則等から正しく自然を理解する力も重要です。そこで本問では、太陽系の大きさのデータや星の等級の法則などから、実際の空間スケールを簡単な数学を用いて身近な空間スケールに置き換え、感覚も通して考えるための基本的な問題解決能力の度合いを測ることを意図して出題を行いました。すなわち、基本的な知識や法則等を用いた、空間スケールを把握するための様々な経験や問題解決能力の程度を確かめる出題であり、基本的な知識を問うことが出題の主要な意図ではありません。

第12問(地学)

地球のエネルギー収支に関する基本的な知識と理解の度合いを問う問題です。具体的な確認事項は次の通りです。
問1:エネルギーの流れを考えるときに使用する単位
問2:エネルギー平衡(放射平衡)の概念理解と計算力
問3:地表面の熱収支に対する理解
問4:エネルギー収支と温室効果の関係
問5:文章理解力(問題文中で定義された概念の利用)と計算力
問6:地球のエネルギー収支に関する総合力
注:地球に届く太陽放射エネルギーは,太陽定数と地球の断面積 (πr²) の積として与えられます。そして、このエネルギーが地球の全表面 (4πr²) を暖めるので、問6の答えは4分の1となります。

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